2011年6月28日火曜日

粋な計らい

普段は呑んだくれのショボくれオヤジでしかないアーノルドが
昨日・今日とホームラン級の当たりをかましてくれた。

アーノルド
「大体ウチは私立だから少しくらいはカネが余るはずなのに、何で毎日3食 prisoner's food みたいな安いポショ豆なんだよ・・・」

僕は相手国の食文化も含めてリスペクトする立場にあるから
ブログで「マズい!」とつぶやくだけで、黙ってはいたけど
どうやら、ウガンダ人にとってもマズい食べ物のようだ。

アーノルド
「マタヨ、これって経理のお前のカネの遣い方に問題があるんじゃん?ひょっとして、学校のカネを横領して、マケレレ大学の女子大生と援助交際でもしてんだろーっ!?」

マタヨ
「そんなことしてるワケないじゃないッスか!」

するとアーノルドは
何の罪も無い給仕のフィオーナにまで
「そもそも、アンタが食事を運んで来るから、毎日ポショ豆なんだよ!」
とメチャクチャな論理で噛み付いた。

フィオーナ
「えーっ!?アタシのせいじゃないでしょー!」

アーノルド
「そうか、わかったよ!じゃあ、かくなる上はだな~・・・」
と、緊急に教職員組合を組織し
各教員から2000シリング(≒80円)ずつ徴収した。

集まったカネを持って
アーノルドは厨房へツカツカと歩み寄り
コックに対して
「おい!これで肉と米を買って来い!明日のランチは絶対にビーフとライスだからな!」

そして今日の昼食・・・

ホントに牛肉と米とマトケ(グリーンバナナを蒸したもの)が出てきた。


「Chairman (委員長)!素敵な企画をありがとう!!」
と教員たちも大喜び。


委員長と呼びかけられたアーノルドも
まんざらでもない笑顔。


アーノルド
「俺はキヨスクの店長だからと言って Chairman と呼ばせるフィデルと違って、正真正銘の Chairman なんだよ、フフフ・・・」
と僕にカッコつけて見せた。

本当は教員だけの牛肉と米のランチだったはずだけれど
生徒たちにも行き渡り
みんなが幸せなランチタイムをおくることができた。

2011年6月26日日曜日

パーティー

ウチの学校は
理事長・旦那、校長・奥さん
のオーナー企業なのだが

二人とも一年のほとんどをアメリカで過ごすため
理事長の友人が校長代行を務めている。

こんな家に住んでいて


こんな感じの


人相の悪い大金持ちで
日本で言うと
時代劇に出てくる越後屋を彷彿とさせる。

校長代行のお嬢さんが結婚するとかで
ホームパーティーに招かれた。


ウエルカム・ドリンクは
沸騰したお湯に穀物を混ぜて発酵させた
「エナジー・ドリンク」と呼ばれるアフリカの飲み物で


おがくずを水に溶かした様な感じで
どうしてもマズい・・・

そうは言っても
相手国の食文化にダメ出しするのも憚られるので
ピロピロで誤魔化しながら一気に飲み干し


「美味しいですねー!」

校長代行
「そうか!大概のムズングは飲まないもんだが、お前は大したもんだ!じゃあ、もう一杯!」

(えーっ!?)

「いや・・・じゃあ、コップに半分だけ頂きますっ!」

校長代行
「何言ってんだ!アフリカには半分だけ注ぐなんて失礼な習慣は無いんだ。まぁ、遠慮せずに飲めよ!」

「は、はぁ~っ・・・ありがとうございます・・・

結局3杯も飲まされる破目に・・・

料理でお腹も膨れたので
フィデルとマタヨと近所のヴィクトリア湖を散歩


抹茶色に濁るヴィクトリア湖で


子供たちが元気に泳いでいる。


フィデル
「俺たちも泳ごうぜ!」

マタヨ・僕
「無理無理無理無理無理~っ!!水が汚すぎるよ!」

すると突然フィデルの顔色が悪くなり
「じゃあ、チョット、そこらへんブラブラしていてくれ。俺、道路の向こう側まで行ってくるからさ。」
と何処かへ行ってしまった。

しばらくすると
にこやかな顔で帰って来て
「あ~、腹減った~!そろそろ戻って、また何か食おうぜ!」

マタヨ
「お前、さてはウ○コしてきただろ!ウ○コして腹の中が空っぽになったからって勝手なこと言うなよ!」

(コイツ、湖の中でするつもりだったんだ・・・しかも野糞までしてきやがって!)

帰りの車中では
ベロベロに酔っぱらったフィデルが同乗者に絡みまくる。

みんなはシカトを決め込んでいる。

「オイ!ハーバート聞いてんのか!?俺はもう酔っぱらってなんかいないから、車を停めてくれって!オシッコがしたいんだよ!頼むから停めてくれって!」

穴ぼこだらけのウガンダの道路は
車がガタガタと揺れる度に
彼の膀胱を直撃するようだ。

ハーバート
「うるせーな!さっさと済ませろ!」
と車を停めると

フィデルは股間だけ車の外に出す様な恰好で
用を足そうとする。

ハーバート
「お前、何やってんだよ!コレ理事長の車だぞ!」
とフィデルをバシバシしばきながら
遠くへ連れて行った。

帰って来たフィデルは
「チェッチリオー、チエッチリオー!オガンバチ、オガンバチー!I am okay now ! 」
とゲラゲラ笑いながら、みんなに握手を求めていた。

アーノルドは握手に応じていたが
僕は、用を足した彼の手と握手することは
頑なに拒否をした。

2011年6月24日金曜日

かに道楽

ウガンダで手に入る食材で何とか美味しく食事ができないものかと
日々、研究している。

中トロは成功だった。

近所のスーパーで何気なく買ったカニの缶詰を
ご飯に載せて醤油を掛けて食べたら
驚く程、旨かった。

カニ缶なんて
日本にいる時は全くの、ノーマークだったのに・・・

スーパーの雇われ店長であるインド人を抱き込むことに成功し
商品の入荷日を知ることができた。

昨日がその入荷日で

当然のことながら

買い占めた!

2011年6月23日木曜日

子供とオッサン


一番チビな子供と、黒いジャケットを着た人相の悪いオッサンが
二人とも同い年の14歳。

ウガンダは東アフリカの中でも教育水準が高いということと
ウチの学校は寮もあるということもあって
近隣諸国のルワンダ、タンザニア、エリトリア、コンゴ、スーダン、ケニアからの留学生が多い。

この人相の悪さの違いは・・・

じゃなくって!

体格や性格の違いは、人種の違いによるものだということが
最近になって、ようやくわかってきた。


背の高いスーダン人


温厚なコンゴ人


僕に教わったインチキ空手を披露する陽気なルワンダ人


そして、フィデル、アブラハム、アーノルドと同様に
常に僕の恰好の餌食になってしまう

哀れなウガンダ人・・・

特にスーダン人は
スーダン南部が来月に独立を控えていることもあって、スーダン国内で争いが絶えず
留学というよりも
子供の身の安全を守るために
親御さんが本校に預けているというのが真相のようだ。

コンゴやルワンダの子供たちも
おそらく
命からがらウガンダに逃げ延びて来た難民の二世なのだろう。

彼らは
明るく元気に、逞しく生きている!

2011年6月21日火曜日

異変

私の勤務先の学校が
おかしな方向にベクトルが向かっている・・・

学校敷地内に住む教頭代理の息子は
旧帝国陸軍の日本兵みたいな帽子を被って遊び回ってるし


ジミー大西までいる。


こんなのはまだ序の口で

「何で寮に電気が通ってねーんだよ!!」
と男子生徒が暴動を起こしかけたので
フィデルが慌てて送電線を張り

夜中には女子生徒が
「おウチに帰りたいよ~・・・」
と、すすり泣く声が聞こえ

翌朝両親が迎えに来て一時帰宅し

翌々日には女子生徒は寮に帰って来たけど

翌々々日には酔っぱらった彼女の親父が
「ウチの娘は根性が無いから寮生活に耐えられなくて帰宅したいなんて騒ぐんだ!一発彼女をブン殴らせろ!」
と怒鳴りこんで来るし

エチオピア人の浮浪者たちは
「職をくれ~・・・」
と勝手に敷地内に押し寄せて来るし

とにかくヤバい!

数々の暴動を鎮圧するため
今日からアブラハムを始めとする教師陣は
ムチを持って教壇に立っている。


(私には支給されてないんだけど、大丈夫かな・・・)

今日は
「女子生徒同士でケンカをした!」
との理由で
教頭代理が3人の女子生徒を事情聴取し
喧嘩両成敗で、3人ともムチ叩きの刑を喰らっていた。

そんな緊張感が漂う中でも
アーノルドは我関せずで


「さてさて、今日もマズい囚人食でも頂きますかね・・・」
と呟きながら
毎日3食変わることのないポショ豆を皿に盛りつけている。



私は塩と醤油で
何とか味を誤魔化して食べている。

2011年6月18日土曜日

フィデリー・マート4

相変らずフィデリー・マートは貧相な品揃えで営業している。

にも関わらず

生徒たちは外出も儘ならないので
彼らにとってはフィデリー・マートが命綱とも言え
常に大盛況。

「俺はビジネスマンだ!リッチなんだ!」
と調子に乗っている。

杜撰な経営・小汚い店舗に
東アフリカ・ナンバー1のマケレレ大学で経済学を専攻したアーノルドは
苦笑とも失笑ともつかぬ笑みを浮かべ

「アイツ、アレでビジネスだって。しょーがない野郎だな~・・・」
と僕に語りかける。

フィデル
「Hello my friends !、ま、中に入ってくれよ!」

アーノルド
「相変らず何も無ぇ~な~・・・女子高生が喜ぶように、たまにはチーズとかケーキを置けってんだ!いつもサモサとチャパティしか置いてね~じゃんかよ~!このサモサにしたってだな~・・・パクッ、モグモグモグ・・・何だコレ!?It tastes like a piece of shit !(う○この味しかしねーじゃねーかよ!)」

フィデル
「オー・マイ・ゴ~ッド!そんなこと言わないでくれよ!」
と笑っている。

(コレはチョットおもしろいな・・・)
と思った僕は

「アーノルド、じゃあ、そのチャパティはどんな味?」
と尋ねると

「Piece of SHIT !」

「ドーナツは?」

「Piece of SHIT !」

「この店自体は?」

「Piece of SHIT !」

「オーナーのフィデルは?」

「Piece of SHIIIIIIIIIIT !」
と畳み掛けた。

さすがに自分自身までもを、う○こ呼ばわりされたフィデルは
「そんなことを言うなら、もう俺の店から買わないでくれ!」
と怒り出してしまった。

アーノルド
「まぁまぁ、冗談だって。だけどよ~、ペンキを塗って店を綺麗に見せたり、利益でもって品揃えを豊富にするのがビジネスの基本ってもんだぜ。ところで今日の利益はどんくらいあんの?」

フィデル
「ん~と・・・今日の午前中に限って言えば・・・ほとんど無いかな?」

アーノルド
「何だよ!それじゃあ、仕入れ値と売り値が同じってことか!?お前、悪いことは言わないから、ミスター・チムリと俺にこの店を譲れって!俺たち先生を辞めてこの店に専念して、この Piece of SHIT を大きくしてやるからさ!」

また、自分の店をう○こ呼ばわりされたことも気付かずに、フィデルは

「あ~、わかったよ!その代わり、お前らにこの店の経営権を売ったカネで、俺はリッチな生活を送ってやるわ!そのカネがお前らに払えると思うのか!?」
と脅しにかかった。

アーノルド
「で、幾らで売ってくれんだよ?」

フィデル
「聞いて驚くなよ!500,000シリングだーっ!!」

(500,000シリング≒2万円・・・)

アーノルド・僕
「安っ!?たったの500,000シリング!?じゃあ、買うよ!!」

脅すつもりが、逆にその安さを指摘され
なおかつ
この店を失ってしまうと

・政治集会に出掛けるか
・プレミアム・リーグをスポーツ・バーにタダ見しに行くか
・理事長相手のテニスで、白星を配給する
ことしかやること無くなってしまう彼は

「あっ!?チョット待った!500,000シリングと言うのは今学期のレンタル料で、来学期には、また500,000シリング払ってもらいたいんだけど・・・」

アーノルド
「何だよソレ!言ってることが滅茶苦茶じゃねーか!もういーわ!」
と笑いながら店を出て行った。

アーノルドからは何も学習しなかったかのように
相変らず貧相な品揃えのフィデリー・マートは
今日も生徒たちで賑わっている。

2011年6月14日火曜日

未婚の祖父

野生のカメレオンを捕まえてきて


帰国する時に、税関職員にワイロでお目こぼしを頂いて密輸して
日本の爬虫類マニアに高く売りつけようと
たくさん飼っていたら


どうやらオスとメスが混じっていたようで

僕の知らない隙に
懇ろな仲になって
シッポリとしけこんで
ヨロシクやってしまったようで・・・


5匹も子供を産みやがった!
(僕でさえも2年は我慢してるのに!)

親カメレオンはトンボとかバッタを食べてくれるけど
こんなチビ共は一体、何を食べるんだよ~・・・

育児放棄で
全部逃がした!

ま、自然が一番ってことでしょう。

2011年6月12日日曜日

国立公園

先日、同期のメンバー数名で
ナントカ国立公園に行った。
(名前忘れた・・・)


アフリカの国立公園はスケールが違う!

ゾウに踏み潰されそうになるわ
サイは突進してくるわ
ダチョウの卵は硬いわ
ヒョウに駆け足で負けるわで

良く生きて還って来れたと思う・・・

ウソ!

超遠くの方にサルとリスがいただけで
あとは、軍隊アリにチクチク刺されただけ・・・

ウチからだと国立公園まで遠いので
同期の憲ちゃん家に前泊させてもらって。

憲ちゃん家は
凄い・広い・綺麗!


リビングや全自動洗濯機まである・・・


最悪の住環境に住む
幸福度数ワースト1・2を争う同期女子は
おノボリさん状態で
憲ちゃん家の写真を撮りまくってました。



虚しくなるだけなのに・・・

2011年6月10日金曜日

生徒会役員選挙

今までのブログはチョットふざけ過ぎていたので
心を入れ替えて
日々の私の活動報告を。

中2の物理の「学期始めテスト」の成績があまりにも悪かったので
1章終えるごと小テストを実施することに決めた。

1問につき0.1点で
「例え、20点満点の中間テストや期末テストで悪い点を取っても、この点を加えてあげるからさ。」
と提案したら
思いの他、生徒にも他の教科の先生にも評判が良かった。

(俺、先生してるな~・・・)

早速第1回目の小テスト。
試験問題を抱えて教室に
"How are you doing, class?"
と意気込んで入って行ったら

「先生、今日は生徒会役員選挙の立会演説会だから、授業は無いはずなんだけど・・・」
とのレスポンスが!

教頭代理に確認しに行くと
「アレ?言ってなかったっけ?だから今日はミスター・チムリの授業は無いよ。あ、そうそう、カメラ持ってんのミスター・チムリだけだから、写真バシバシ撮っておいてよ。ヨロシク~♪」
って、私をないがしろにしておきながら、頼る時は頼るという、何とも失礼極まりない対応を!

ま、いっか・・・

「先生、写真撮ってよ~!」
と、ウガンダは海無し国家のくせに、何故か「波止場で佇む男」のポーズを知っている男子生徒。


「先生、アタシ達も~♪」
と、サングラスをかけて一人でウケている女子生徒。


中高生があまり賢くないというのは
万国共通のようだ・・・

そして立会演説会開始。

ウチの学校はチャイムが無いので
授業終了5分前になると生徒が教室を抜け出して
鉄のタライを鉄の棒で
「ゴン!」
と鳴らしに行く。
その役職の立候補者の決意表明。



ショボい仕事なので、立候補者は中1の2名のみ。

「私が当選した暁には、1分1秒も遅れることなく、時刻をお知らせすることをお約束致します!」
と、尤もらしいことを述べていたな~。

そして、生徒会長立候補者。


立候補者
「ワタシは校舎がいつも汚れていると思うので、生徒全員が掃除に参加するような学校にしたいと思いますっ!」

生徒
「そんな面倒臭いことやってられっかー!」
「アンタには絶対投票しないからねー!」
とブーイングの嵐。

立候補者
「あ、チョット待った!前言撤回!そういう学校になったらいいなと思うだけであって・・・汗」

生徒
「ウソつけー!」
「ブー、ブー、ブー!」

彼女の落選は、ほぼ決まりました・・・

次の会長立候補者。
「この学校は校則が厳し過ぎる!せめてケータイはオッケーにしてもらいたいと思わないかい?オレが会長になったら、学校側に申し入れてやるぜ!」



生徒からは拍手喝采の嵐ですが
隣で聞いている教頭代理は
苦虫を噛み潰したような顔をしている・・・

余談ですが
プラカードを掲げた女子生徒の前にいる白いシャツの男子生徒は
「悪魔がまた憑依した~!!!!!」
と発狂して、しょっちゅう学校を抜け出す問題児。

先日も独房に監禁されていた。
(こっちの学校はやることが極端過ぎる・・・)

「ディスコを作ってくれるよう学校に申し入れてくれないと、投票しないからね!」
なんて無理難題を押し付ける有権者も・・・


やっぱり、賢くない・・・

「ディスコは作れないけど、ブレイクダンスならいつでも披露しますよ!」
と、他の立候補者は踊り始めた。


やっぱり、賢くない・・・

でも、生徒たちは大喜び!


中には


「たまには給食に甘い物でも出しやがれー!」
という
有権者の切実な叫びが・・・

これにはさすがに私も同情する・・・

投開票は来週の月曜日!

2011年6月8日水曜日

病状悪化!?

今日、アブラハムが欠勤した!

僕の空手療法が効かずに
病状が悪化したのだろうか!?

いやいや!

元々、空手療法なんてモノは存在しないから効くワケないし
悪化したとすれば
アブラハムを痛めつけてしまった
「袈裟斬り手刀撃ち」や「アイアン・クロウ」や「脳天唐竹割り」のせいだ!

絶対にそうだ!

(ヤベ~、どうしよう・・・汗)

恐る恐るダイヤルを回し
アブラハムに電話をする。
(「ダイヤルを回す」ってのが“昭和”だよな~・・・)


「あ、もしもし、アブラハム・・・」

アブラハム
「イエー!ミスター・チム~リ~!チェッチリオ~♪オガンバチ~♪」

(アレ?思いの外、元気だ。)


「今日は何で来てないの・・・」

アブラハム
「あ、今日、ボク授業が無いからさー、理事長の畑にコメを取りに来てんだよ!喜べ!これで明日からチムリの嫌いなポショを食べなくて済むよ!」


「あ、そうなんだ・・・」

アブラハム
「あ、ところで、チムリの空手療法のお蔭で頭痛が無くなったよ!ありがとー!今日は夜8:00頃に帰るからさー!じゃ、また後でね!」


「う、うん・・・じゃあね・・・」

僕に痛めつけられた上に
コメまで用意してくれてたなんて・・・

アブラハム、本当に済まなかった!

2011年6月7日火曜日

アブラハムの憂鬱

今日は朝からアブラハムの顔色が悪い。

黒人さんだから
「顔色なんてわかるんかーい!?」
とツッコミを入れられそうだけど

不思議なもんで
2ヶ月もアフリカに住んでいると
顔色の悪さとか、恥ずかしい時には顔に赤みが増してくるのが
段々とわかってくる。


「どうしたの?」

アブラハム
「先週末、地方に行った時に砂埃を吸ったせいか、頭が痛い・・・」

(ココ首都カンパラの方が、舗装されていない道路も多いから砂埃は凄いし、それに車の排気ガスが加わるから、地方の砂埃を吸ったからと言って、頭痛になることは有り得ないのだが・・・)

とにかくウガンダ人は
チョットした頭痛や微熱でも
「マラリアに罹った~!」
と大騒ぎするし

チョットした擦り傷・切り傷でも
それが原因で破傷風に罹って死ぬ人間もいるせいか
大騒ぎする。


「そうか・・・なぁ、アブラハム、空手にはセルフディフェンスの他に、万病を治すと言われている“空手療法”というモノがあるのだが、試してみるか?」

もちろん、そんなモノは無い!

けど・・・

アブラハムは喜んで
「是非とも頼むよ!」

ということで
インチキの施術開始。

先ず
頸動脈へ「袈裟斬り手刀撃ち」


続いて
鉄の爪「アイアン・クロウ」でこめかみを圧迫


仕上げに
「脳天唐竹割り」


「脳天唐竹割り」の頃には
あまりの激痛に
アブラハムの目も死んでます・・・

アーノルドは
隣で写真を撮りながら
「コレ、絶対インチキだよ~。」的な目付きで僕を見て
ゲラゲラ笑っている。

「どう?少しは良くなった?」

アブラハム
「うん・・・首筋とこめかみと頭のてっぺんは凄い痛いけど、頭痛は無くなった様な気がする・・・」

確かに

痛さをすり替えただけだからね・・・

2011年6月6日月曜日

アーノルド

右側はご存知のフィデルですが
左側は今回初登場のアーノルド。


彼は理事長の甥っ子で
東アフリカNo.1のマケレレ大学を卒業しながら
怠け者で就職しないので
理事長から強制的にウチの学校の教員にさせられている。

クリスチャンのくせに
ビールもタバコもやるので

「お前、大丈夫なのか!?」
と尋ねたら

「何だ、ミスター・チムリ、赤ワインとパンがジーザスの血と肉なら、ビールとタバコはジーザスのurineとfartだってことも知らなかったのか!?」
と見え透いたウソをつく。

そういうの嫌いじゃないけど・・・w

教員は7:20に出勤なのだけれど
僕は、先日遅れて、7:40に出勤してタイムカードを押した。

アーノルドは10:00頃にノコノコやってきて
僕のタイムカードを見ながら

「ミスター・チムリ、今日は重役出勤ですか?やれやれ・・・」
と平然と言いやがるので

「何で、俺より遅れてきたアンタにそんなことを言われなきゃなんないんだよ!」
と言い返したら

「いや、ボクは5:00には来てたんだけど、誰もいないから、散歩してたんだよ。」
と見え透いたウソをつく。

そういうの嫌いじゃない・・・w

一昨日も、早退して外出しなければならなくて

「チョット悪いけど、お先に!」
と出掛けようとしたら

「ミスター・チムリ、ちゃんと私の許可を得たのかね?」
と偉そうに言いやがるので

「ちゃんと教頭から許可は得たわ!ってか、何でお前にまで許可をもらわなきゃなんねーんだ!」
と脇腹に「三年殺し」という名の空手技をお見舞いしてやった。

振り返ると
「アイヤヤヤー・・・」
と呻きながらうずくまっていた・・・

ウチの学校は校則が厳しくて
生徒は一歩も外出できない。

「メシは毎日三食ポショと豆だし、外出も出来ないし、これじゃあ、まるで刑務所じゃん・・・」
と嘆いたら

他の先生たちは
「いや、彼らはジーザスの名の下に、この大事な時期にしっかりと勉学に励まなければならないんだよ。」
と、僕を説得するけど

アーノルドだけは僕の味方をして
「そうだよ!外出が出来ないんなら、せめてプールでも作って泳がせてやればいいんだ!俺らはビキニ姿の女子校生は見れるし、プールサイドでカクテルでも飲んでりゃいいんだからさ!なっ!ミスター・チムリ!そうだよなっ!?」

(俺、そこまで言ってないけど・・・)

でも
そういうアーノルドは
嫌いじゃない・・・w

2011年6月4日土曜日

船旅

ワタシが日本を旅立つ前日の3月23日に
日本にいるワタシが
ウガンダにいるであろうワタシ宛に
船便で送った荷物が

2ヶ月と2週間に渡る
長い永い航海を終えて

ウガンダの私の手元に無事届いた。

その荷物は
停電が続き真っ暗な暗闇なワタシの部屋の中で
唯一、燦然と光り輝いている。


中身は


待ち焦がれていた・・・

船内のネズミにかじられたりはしまいか?
モンバサの税関職員にパクられたりはしまいか?
カンパラの宅配ドライバーがドロ道に落っことしたりしまいか?

ワタシの心配をよそに
本当に無事に辿り着いてくれた。

これを2年間の歳月をかけて
貧乏臭く
チマチマと食べるつもりだ。